事業紹介サイトはこちら
  ニュースサイトはこちら


中国料理食材事典 >書籍 >TOP

タイトル

北咸東酸西辣南淡

中国では地方による味の特徴を、大きく北東西南に分けて「北咸・東酸・西辣・南淡」と表現します。 北方は塩辛く、東方は酸っぱく、西方は辛く、南方はあっさりとした味というわけです。 広東で食事をした経験からいうと「しっかり塩辛い味がついている」という印象が強いのです。現地の友人に問いただしたところ「広東は暑く、湿気が多いので汗をかきますから、確かに味は塩辛く、濃い傾向がありますね」と答えが返ってきました。 しっかり味がついているのは、広東だけではありません。中国で食事をすると酸っぱい、辛い、塩辛い、甘いといったそれぞれの味がじつに明確なのに感嘆させられます。(著者)

体裁

A5判・ 180ページ

定価 1,500円(税・送料別)
発行 2013年3月
ISBN 978-4-88927-194-2

■著者
藤木守

■内容

本書は中国料理に用いられる基本食材を 紹介するものです。食材項目を選ぶにあたってはなるべく日本国内で入手が容易なものを選びましたが、魚など一部の食材につ いて日本では入手不可能なものがあります。
食材・食品に関しては、著者が選んで、 写真を載せております。また入手困難な商 品はイラストなどを使用しました。
最初に中国4大料理を中心に中国料理の 基礎知識を簡略にまとめた第1章を読んで いただくと料理名の漢字の意味などがわかり理解が深まります。
中国語は漢字ですが、その読み方は日本 での読み方と異なります。そこで、項目その他本文中の単語にも適宜ピンインを添えました。ピンインとは、 中国語の発音のしかたをアルファベットで表したものです。


■1章 中国四大料理

四大料理(北京料理、上海料理、四川料理、広東料理)
中国は日本の約26倍の国土を有し、約13億人の人々が暮らしています。この広大な国にあって、民族的な風俗や習慣、気候、風土などの違いにより、伝統的な地方料理として、各地にそれぞれの固有の食文化が伝わっています。今回は、中国を流れる大河を視点として「北(黄河の中・下流域)」「東(長江の下流域)「西(長江の上・中流域)」「南(珠江の下流域)」に分け、北方系は北京料理、東方系は上海料理、西方系は四川料理、南方系は広東料理を中心に、四大料理について紹介しています。
■2章 肉類(家禽・家畜)

中国の一般家庭の御馳走は「鳥鴨魚肉」

中国では鶏に匹敵するアヒルもよく食されています。都会を離れれば、今でもアヒルや鶏がのんびり散歩している姿が見られます。中国の一般家庭の御馳走は「鳥鴨魚肉」つまり、鶏、アヒル、魚、豚肉です。中国でもっとも消費量が多い食肉は豚肉です。牛は農耕などで使うため、筋肉が発達しすぎ、その肉はまずいとされましたが、近年は美味しい牛肉が出回るようになっています。広東や四川では以前から牛肉も比較的よく食べられていました。北方では羊料理が盛んです。

■3章 魚介類(魚貝類)

海水産より淡水産のほうが一般的

中国は、湾岸地帯に比べて、内陸地帯が広大なので、海水魚より、河川や湖などの淡水魚のほうが広く行き渡っているといえます。現在では、冷凍などの保存方法や交通の発達に伴い、海水魚も、沿海の地方のみならず、都会の市場などには豊富に出回っていますが、昔から、フカヒレや干しアワビ、干しナマコなど海産品の乾貨(乾燥品)が多い事は、中国料理の大きな特徴の一つに挙げられます。

■4章 野菜類・キノコ類

生食より火を通して食べる
中国人が野菜をよく食べるのは、薬(医)食同源の考えが生活に根づいていて、動物性食材とのバランスを取っているからにほかなりません。調理法の特徴としては、生食よりも熱を加えた料理が中心になります。カイランやアブラ菜(サイシン)など茎野菜が好まれるのも、加熱してこそ美味しく味わえる部位ということもあります。また漬け物にすることも乾物の広がりと同じく、大きな特徴に挙げられます。野菜が精進料理の主要食材であるのはいうまでもありません。なお中国では「野菜」というと山菜や野草のことを意味し、日本でいう「野菜」は「蔬菜」といいます。
■5章 穀類・豆類

北麺南飯北方は粉食、南方は米食が中心

中国は広大な国だけに、地域にyほって気候風土に大きな違いがあり、昔は、北方では小麦粉を主とする粉食(麺点=小麦粉の中心)が中心で、それに対して南方は水が豊かなので米が取れ、米飯や米の加工品を食していました(ここで言う「南」とは、長江流域の南)。そこで「北麺南飯」や「南粒北粉」と言った言葉も生まれています。

■6章 果実・種実類

水果・乾果で果実の魅力を十二分に味わう

中国では果実は、生食する水果と乾燥果実と木の実の乾果とに大別されます。モモ、スモモ、ナシやナツメなどが古くから親しまれてきましたが、物流の発達により外国からトロピカルなフルーツなどがはいってきて新たな料理が次々に生まれています。果実類は甜菜(デザートまたは甘い料理)に使われる味の決め手となる材料として使用される場合が多く、水果が少ない冬季には主に乾果が用いられます。果実やナッツの乾果は中国料理では甜菜以外にスープや煮物、炒め物などにも多く用いられます。特に注意すべきは乾果の多くが薬膳の素材となっている事です。
ほとんどの乾果には滋養強壮、精神安定、アンチエイジングなどといった薬効があるとされます。

■7章 野味(野生動物)

素材の珍しさ、美味、薬効を堪能する

中国の人は野味に対して“珍味”“美味”“薬効あり”といったプラスイメージを強く持っています。ここでの薬効は、精力の強化・回復を意味し、それゆえに人々はより積極的に野味を食べるとされます。また野味は、薬(医)食同源の考えを端的に示す「食補」ともつながっています。食補とは、季節の変化に応じて上手に食べ物を摂り、自然の理にかなった栄養補給で体調を整え、英気を養う事を言います。しかし中国でも絶滅危惧種を憂慮して1988年の野生生物保護法が制定され、2003年にハクビシンが新型肺炎(SARS)の感染源とされると、さまざまな防疫の観点から、野生動物の調理が禁止されました。現在は動物愛護の観点から犬猫の食用が禁止されようとしています。
■8章 香辛料・調味料・スープ類

全体の香りや味がまとまるように使う

中国料理では一般的に、香辛料や調味料を、一つの香りや味を際立たせるためではなく、あくまでも全体の香りや味がバランス良くまとまるように用います。そこで、多くの場合、香辛料や調味料を利用します。たとえば、香辛料を味噌や醤油、酒といった発酵調味料と合わせたり、油に抽出させたり、それを加熱する事で、香りや味をより効果的に活かすように用いたりします。また独特の香りや風味をもつ素材は、薬効の強いとされるものが多いので、薬効薬剤を兼ねる例も少なくありません。


■著者略歴
1965年東京都生まれ。日本大学農獣医学部卒業後、ニチメン株式会社(現・双日株式会社)に入社し、1987年〜88年中国遼寧省大連に駐在、帰国後も中国担当として5年間在籍。退職後、数社の勤務を経て、1995年総合食品の輸入・製造加工・販売を手掛ける株式会社藤屋に入社。創始者で初代社長である父親の引退後、2004年に後継者として代表取締役社長に就任し、現在に至る。

表紙写真



申込みページへ



 

 

copyright © 日本食糧新聞社.All Rights Reserved.